イメージングとオミックス解析による老化研究

片岡 洋祐

生命機能科学研究センター(BDR)
細胞機能評価研究チーム
チームリーダー

mail:kataokay(at)riken.jp
Kataoka

われわれはマルチモダルイメージング技術(PET、MRI、蛍光・発光イメージング、電子顕微鏡)を利用して、老化プロセスにおける組織・細胞の構造と分子のふるまいに関する変化を調べています。さらに、新しい広域電子顕微鏡技術を用いた組織微細構造の網羅的な解析システムを構築することで、他のオミックスデータ(トランスクリプトームやメタボローム)との相関解析を実現し、老化のメカニズムに迫りたいと考えています。

最近、われわれは脳内のグリア前駆細胞(NG2発現細胞)が、新しい細胞を生み出すだけでなく、ニューロンのはたらきや神経免疫機能を直接制御することで脳内環境を維持していることを見出しました。そこで、加齢に伴う脳内前駆細胞の機能低下を脳内神経炎症の進展も視野に研究しています。また、新しく開発した広域電子顕微鏡技術を用いて、加齢に伴う組織・細胞の微細な形態学的変化を網羅的に解析しています(ミクロモルフォミクス)。広域電子顕微鏡技術は、広範な組織(> 1-20 mm2)に対してオートフォーカス機能により組織全体を高拡大率で自動撮像することを可能にし、1000枚以上の電子顕微鏡画像をタイリングすることで1枚の大きな画像情報として蓄積し、組織微細構造情報をビッグデータ化することができます。現在、本技術を用いて、マウスの大脳皮質6層構造全体を含む画像ビッグデータを10週齢から100週齢(2年)の各週齢で取得し、ニューロンや前駆細胞を含むさまざまな細胞種における加齢変化を解析しています。

こうした広域電子顕微鏡画像を対象にデータベース(RIKEN Microstructural Imaging Meta-database)を構築し、簡便かつ直感的に利用できるビューアーシステムを用意して一部を公開しています。

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