健康長寿に影響を与える腸内常在菌種の特定

本田 賢也

生命医科学研究センター(IMS)
消化管恒常性研究チーム
チームリーダー

Honda

消化管の管腔には何兆個もの細菌がコミュニティを形成して生息し、宿主との相互作用により腸管恒常性の維持に寄与している。腸内菌叢の組成やバランスの乱れ(dysbiosis)が自然免疫及び獲得免疫システムを活性化し、老化に伴う特徴の一つである、易感染性や軽度の慢性的な炎症に代表される免疫老化や粘膜バリアの破綻を引き起こすことが明らかになっている。我々はこのプロジェクトで、健康な状態で自立して生活し、健康長寿のモデルとされているセンチナリアン(百寿者)に着目して研究を行なっている。メタ16S rRNA解析、メタゲノム解析の結果から、高齢者コントロールと比較して特定の菌種が百寿者で有意に増加していることが明らかになった。これらの結果とメタトランスクリプトームおよびメタボローム解析などの統合的なアプローチにより、百寿者が保有する微生物の構成と機能性を解析するとともに、ノトバイオートの技術を応用して百寿者から単離された細菌の免疫調節能を明らかにし、更には細菌由来の代謝産物を絞り込むことで分子メカニズムの解明につなげたいと考えている。一連の研究成果により、疾患と関連する新しいバイオマーカーの発見、あるいは腸内の慢性炎症を予防し、健康長寿につながる新しい細菌カクテル療法につながることが期待できる。

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