老化の可視化

宮脇 敦史

脳神経科学研究センター(CBS)
細胞機能探索技術研究チーム
チームリーダー

mail:matsushi(at)brain.riken.jp
Miyawaki

老化を理解するための様々な可視化技術の開発を行っている。

一つの技術が、尿素とソルビトールをベースにした生体組織透明化試薬ScaleSである。抗体染色や組織化学染色が可能なScale技術(AbScale法, ChemScale法)の開発にも成功している。これら技術を、アルツハイマー病のモデルマウス脳やヒト患者死後脳のサンプルに適用して、アミロイド斑のまわりの組織病変の3次元的包括的な理解を目指す研究を行っている。Scale技術を改良しながら、パーキンソン病、ALS、多発性硬化症などの老脳における神経変性、グリア細胞の増殖および集積、脱髄、血管破綻などの組織病変について3次元再構成を試みる。

その他の老化可視化技術として、代謝過程の可視化プローブがある。解糖系とTCA回路、解糖系と糖新生、脂肪産生、ヘム代謝、飢餓(オートファジー)、酸化ストレスなどのプローブを開発している。たとえば、ヘム代謝の中間産物であるビリルビンの超高感度蛍光プローブUnaGを、ニホンウナギの筋肉から遺伝子クローニングすることに成功した。ビリルビンは、従来は黄疸の責任分子として悪玉視されてきたが、最近では抗酸化(アンチエイジング)分子として注目され始めている。UnaGで測る血液中ビリルビン濃度が、特に高齢者における健康の一指標として活用できる可能性を探る。

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